■ ピアノという楽器 日本のピアノ、世界のピアノ■
国内ピアノメーカーであるYAMAHAは世界生産量第1位。次いでKAWAIは第2位。よく見かけるのはやはりヤマハやカワイ、ローランドなどが多いと思うけれど、世界には様々なピアノがある。世界のピアノメーかー御三家といわれるのが、
・ スタインウェイ(1853年アメリカ・ニューヨーク)
・ ベヒシュタイン(1853年ドイツ)
・ ベーゼンドルファー(1828年オーストリア)
スタインウェイは世界で最も有名なピアノ代表格と言っても過言ではない。
80%以上が手作り生産で最高級木材使用のため、価格はかなり高い。
このスタインウェイは国内の楽器店でもよく見かけることができる。
特徴は、透明感溢れるきらびやかな音。
特に高音は本当にキラキラした音で、とても綺麗に響く。
鍵盤は少し浅いタッチ感。
次に、ベヒシュタイン。「ピアノの音は演奏者自身が作り出すもの」という考えで作られたピアノで、透明感のある音色で、音の立ち上がりが早いのが特徴らしい。
有名なのに私は楽器店で見かけたことがない。
一度弾いてみたい、とても興味のあるピアノ。
最後に、ベーゼンドルファー。
有名なのは「インペリアル」というモデル。
これがまた面白い! ピアノの鍵盤は普通88鍵、この機種は97鍵ある。
通常の鍵盤と見分けやすいよう88鍵以外の鍵盤は全て黒で作られている、と国内店舗の社員さんが語っていた。
このピアノがなんとも言えない柔らかい独特な響きを出す。
これは他のメーかーにはない豊かさで、聴いているととても心が静かになる。
私が一番好きなピアノ。
ただし、音の立ち上がりが遅いというか、かなり独特で感覚が他のものと全く異なるため、弾きこなすのはかなり難しい。
他にも、スタインウェイの第2ブランドであるボストンピアノ、ショパンのピアノを生産しハープシ・コードの復活にも力を注いだプレイエルなどなど、世界にはたくさんのピアノがある。
日本国内にも、大量生産で出回っていない個人のピアノメーカーがまだまだある。
そこらの楽器店では見かけない色んなメーカーのピアノを弾く旅ができたら、一番楽しい旅行になるだろうなぁ。
■ 音には相性がある■
楽器にも相性というものが2つ存在すると思う。もちろん、ピアノにもある。
1つは、楽器と奏でる人との相性。
これは選ぶ側である人が、楽器を手に取ったときや音を出したときに、様々な角度の視点で、弾きながら感じ取っていくもの。
・ 弾きやすさ
・ その楽器が奏でる音の心地よさ
・ 重量(ピアノの場合は、弦やペダルの重さ・固さ、タッチ感) など
これは最初は弾きやすく感じても、しばらく弾いていると感覚もまた変わってくるので、ポロ~ンと少し音を出しただけでは決められない。
もう1つは、その楽器が持っている音と曲の相性。
ピアノは製造メーカーによっても個性がかなり違ってくる。
もちろん演奏者の腕と感性に左右されるのだけれど、ピアノによって曲の聴こえ方も全然違ってくると思う。
私の個人的な感覚でいえば、例えばドビュッシーの「月の光」。
スタインウェイも綺麗だけれど、今知っている音で選ぶなら、この曲にはベーゼンドルファーが一番似合うと思う。
メロディから感じられる、静かにじんわりと降り注ぐほのかな月の光。
その安心に満ちたホッとする光は、ベーゼンの音が醸し出す空気がいい。
邦楽などのPOPS曲なら、ヤマハ。
ヤマハの音は「打てば即ポーンと響く」ように非常にクッキリ・ハッキリした音が耳に届くので、軽めのPOPSはヤマハが聴きやすい。
高音領域が綺麗な魅力のキラキラした曲なら、絶対にスタインウェイ。
音は空気の振動で耳に届くもの。
落ち着いている、キラキラしている、ひっそりしている、明るく軽やか。
曲の空気は1つではない。
奏でる曲がどんな空気をどれだけ持っているのかを感じながら相性の合うピアノで弾くと、よりその曲の世界の住人になれるような気がする。
■ ピアノのメンテナンスについて■
家のピアノを弦のある生ピアノにするなら、しっかりメンテナンス。
でも、メンテナンスってどういうことをするのだろう?
まずは、自分でしてあげられること。
最も目に付きやすい外装はもちろん、汚れが一番付着しやすいのは鍵盤。
手は汗をかくので直接触れる鍵盤には脂分などが付着する。
くもり具合が分かりやすい黒鍵はもちろん、見えにくい白鍵だってしっかり付いている。
時間が経つと皮脂は取れにくくなるので、弾くたびに柔らかい布でピカピカに拭いてあげたい。鍵盤専用のクリーナーもある。
クリーナーなど薬品を使うときは、ピアノの材質によっては合わないものもあるので、メーカーに確認すること。
次に、呼吸をさせてあげること。
使う時以外は蓋を閉めっぱなしにしがちなピアノ。
アップライトも屋根が開くので、蓋と同様に時々は開けて空気を入れ替えてあげたい。あまり使われない領域の鍵盤も時々は音を出してあげるといい。
温度や湿度もけっこう大事。
意外なことだけれど、ピアノには適した温度・湿度というものがあり、大きな変化は苦手。
室温15~25℃、湿度50~70%位が快適と感じるらしい。
最後に、やはり定期的な調律。
調律師に来てもらって時々メンテナンスしてあげること。
使用頻度によっても変わるけれど、1年に1~2回くらいしてあげよう。
こうしてみると楽器は生きているとつくづく思う。
命あるものと同じように大切に気を配って仲良くやっていこう。きっといい音で応えてくれるはず。
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